義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
プロフィール

しげち

Author:しげち

カテゴリー

劇団昴ザ・サード・ステージ第35回公演『幻の国』


◇時間:
19:00

◇会場:
Pit昴

◇出演:
石田博英 
永井誠 
渡辺慎平 
田中久也 
永井将貴 
町屋圭祐 
福永光生 
加藤和将
寺内よりえ 
石井ゆき 
林佳代子 
高山佳音里 
落合るみ 
関泰子 
舘田悠々

◇スタッフ:
作=古川健(劇団チョコレートケーキ)
演出=日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)

http://www.theatercompany-subaru.com/3rd.html



須賀しのぶさんの「革命前夜」を読んだ後だからか、話がよくわかる。
ほぼ同じ時代の、ベルリンの壁崩壊前夜の東ベルリンが舞台。
シュタージ(秘密警察)の夫と、非公式協力員である教師の妻。多少の疑問は覚えつつもいつかほんとの社会主義の国になれると信じてる妻に、つきつけられる現実。
ベルリンの壁が崩れて東西ドイツが統一して、その激動のなかで、自分達のしてきたことを見つめ、友人に告白するのはさぞつらいことだろうなぁ…。
この夫婦は、今の東ドイツの社会主義には疑問を持ちつつも、本来の社会主義(マルクスやエンゲルス、ローザ・ルクセンブルクなど)の理想は信じている。
だからこそ、現実がそうはできなかったと思い知らされるときがとても痛々しい。

シュタージの夫や上司たちは、ものすごく真面目な人たちなんだけど、自分達のしてきたことを悪事だと認識していて、それが逆に怖い。
特に上司の少佐。
悪意とか悪人だからとかではなく、組織によって真面目な善人が行う悪のほうがより強大で狂暴な悪になるのかもしれない。
アイヒマンのように。
ただラスト、さらに上司の中佐が自分たちの利益のためにファイルを持ち出そうとした時には全力で止めていて、誇りをかけた姿にシュタージとはいえ信念を感じた。

シュタージのために人生をめちゃめちゃにされた女性の告白と、それを受ける妻の衝撃が凄まじい。
16歳からシュタージを憎み続け、東ドイツの滅亡だけを願って生きてきたという女性。
その人生の壮絶さと、自分もその行為に加担しているという良心の責め苦はさぞや苦しいものだっただろう。

戦争が終わって54年、ドイツがひとつだった時代を知らない世代は、「亡命できる」といわれてもきょとんとしてて、もしかしてお隣の国もそうなのかなぁとふと。
あの時代よりはメディアも発達はしているから一概に比べられたりはしないだろうけど。

ハンガリーが西側であるオーストリアとの国境を解放したのがきっかけで、東ドイツの崩壊が始まる。
「革命前夜」ではスルーしてたけど、なんていうか、ハンガリーとオーストリアってやっぱなんかこう、仲いいのね。
やはり一度は二重帝国を形成してただけある…いやたぶん他に接してる西側諸国がないだけだろうけど。
そしていまさらながら、オーストリアは西側だったんだなあと改めて思った。

市民が互いを監視しあい、密告する社会。
ナチスドイツ時代も、東ドイツも、戦時中の日本も。
そして近い将来の日本もそうなるかもしれない。
「僕が子供の頃は数人集まっただけで逮捕されたよ」って台詞があって、共謀罪がある今の日本では未来の話かもしれないと恐ろしくなった。
相互監視社会の一番怖いところは、家族や友人であっても信じられず、常に疑心暗鬼にならなければならないこと。
誰のことも信じられず、親しい人に裏切られていたと知った後のつらさ。
裏切っている方の苦しみ。
それを実感した作品だった。

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

FC2カウンター